アルバム「Brilliant」の制作話を、自分のためにもちょこちょこと書いておこうと思う。
やはりウーター・ヘメルとの出会いが今回のアルバムのカラーを決める大きな出来事だった。
写真は以前にも載せたもので、昨年の夏に彼が来日した際に東京で初めて会った。
彼は日本でのライブを終え、翌日には韓国へと出発する忙しいスケジュール。
事前に「ウーターが日本人とコラボレーションを希望している」という情報を小耳にはさみ、
ダメもとで音源を聴いてもらってみたところ、なんと思いがけずOKの知らせが。
いざ会ってみたら「君がシンゴだね?」と向こうから話しかけてきてくれた。
思いがけない展開に「い、イエス!イエス、シンゴ」という言葉しか出てこずなんとも情けない。
二つのトラックを聴いてもらい、すぐに「Who you gonna…」のほうを気に入ってもらった。
(ちなみにもう一つは後に「Feel It All The Time」になる)
レコーディングの進め方を決めて、その日はそれから近くで一緒に食事をし(というか潜入し)
外に出て別れる時に撮ったのがこの写真である。
店内で流れる様々なジャズのスタンダードをずっとハミングしていたのが印象的だった。
ウーターは帰国後に風邪をひいてしまったみたいで、メールで
「ちょっとハイトーンが出てないんだけど…」
というような文章と共にボーカル入りのデモ音源を送ってきてくれた。
フィーチャリングの歌を最初に聴く時はいつも幸せな気分になるけれど、
この時は特別だった。本当に胸を(ハートを)つかまれるような歌だった。
歌詞は僕と会った後すぐの2,3日で、ツアー先のホテルの部屋でひとり書いてくれたようだ。
(歌詞の内容については、今後どこかでウーターのコメントを掲載出来ると思うのでそちらで)
すぐに思いついたリードギターのパートをオーバーダビングして送り返し、
彼もそれを気に入ってくれた。なんというか、夢のようなやりとりだった。
初めて聴いた時から懐かしい、でも新鮮でポジティブで、
でもどこか憂いのある、しかしながら優しい歌声、、、
とても僕には表現出来ないけれど、
でも本人から感じ取れる空気は歌声と同じものであった気がする。
とにかく、そんなウーター・ヘメルと一緒に音楽を作れた幸運を感謝し、
ちょっとくらい自慢したいな、ということです。
あ、今年の5月に来日するみたいですよ!