秋のかき氷

秋のはじめの冷たい雨がじゃぶじゃぶと降り、夏の火照りを一息に冷ましている。
夏ほど「終り」のはっきりした季節もないだろう。
春も秋も気づいた時には終っているし、冬の終りは春の到来の喜びにかき消されてしまう。
でも夏は毎年「ああ、終ったな」という瞬間が明確にあって、それがたった今なのだ。

今年は夏らしいことしたかな、と夏の終りに振り返る。
海には行けなかったが山には行った。(長野の山の星空の映画祭、とても良かったなぁ)
プールには行けなかったが花火は見れた。(幸運にもライブ会場の目の前で打ち上がった)
バーベキューはほとんど出来なかったけど鰻は食べた。(年に一度「鰻会」を友人と開催している)
スイカ割りはしなかったがキュウリはピクルスにして食べた。(スイカもキュウリも苦手です)

そしてうちの人は「かき氷を食べに行ってくる」と言って今朝出かけて行った。
友人と”夏にやり残したこと”を駆け込みで予定していたみたいだが、どうやら一日遅かったようだ。
でも秋の初めにかき氷、というのも悪くない気がする。
暑い真夏の昼下がりに「はー、やっぱりこれだわ」とこめかみを押さえながら食べるのも良いが、
秋の肌寒い雨の日に「夏も終りね、しゃくしゃく」とかき氷を味わうのも、また違った趣がある。

しかしまあ、食べている本人は趣どころではなく体が冷えるだろうね。出がけに、
「私はあんみつにするかもしれないわ…」と呟いていたので、かき氷はまた来年かもしれない。
来年の夏なんてとても遠い未来の話に思えるのに、これがあっという間にやって来るんだよなぁ。
皆さんはどんな夏でしたか?やり残したことは来年、きっとやりましょう。
またすぐ来るんだから。